11月28日(月)に金沢区にある、横浜市立並木中学校の学校保健委員会に参加してきました。
今回は、保健委員会の活動のひとつとして防災授業が行われていました。
授業のコンセプトは「助けられる人から助ける人へ」でした。
まずは、以前行われた防災拠点開設訓練に参加して学んだことや、自分たちで調べた防災知識を数人の生徒が代表して発表しました。
事前に取ったアンケートの結果を報告したり、並木中学校の津波浸水域がどこまでなのか、どこが危険なのかを説明したり、備蓄している非常食は事前に試食しておくべきだということや、私たち中学生は地域の担い手であり、防災は受け身ではなく自ら考え行動することが大切だということを発表していました。
発表に使ったスライドには弊社作成のはまっ子防災ガイドも使われていました。
発表の後は、東日本大震災で実際に被災された川崎さんのお話を聞きました。
川崎さんは、岩手県釜石市出身で、中学2年生のときに釜石東中学校で被災されました。
現在は、「いのちをつなぐ未来館」で語り部として震災の経験や防災教育について伝えられており、はまっ子防災ガイドにも取材協力をいただいています。
地域の防災拠点開設訓練に参加し「学びたい・知りたい」という意欲をもった並木中学校保健委員会の生徒たち。「川崎さんに防災についてのお話をお聞きしたい」という保健委員会の意思をくんで、土信田校長先生からご要望をいただき、弊社から川崎さんへご連絡したところ、快く受け入れていただき、今回の講演を実現させることができました。
リモートで並木中学校と釜石市の川崎さんをつなぎ、講演開始です。
被災当時の様子のお話から始まり、自分たちが行ってきた防災授業の説明や、実際に自分たちの活動が地域の方の命を救ったこと、防災の授業は楽しんで行うことが大切だということをお話しいただきました。
生徒のみなさんは、メモを取りながら真剣に聞いており、防災に対してしっかりと向き合っている姿が伺えました。
講演の最後に、生徒のみなさんへ川崎さんからお題が出されました。
「やってみたい or やるべき防災教育」を考えてみよう。ということで、グループごとにそれぞれ話し合います。
お題には「楽しんでできること」という条件も付けくわえられ、みんなで頭を悩ませながら意見を出し合いました。
意見交換の後は、グループごとに発表します。
様々な意見が出ましたが、川崎さんのお話しにあった「津波の疑似体験」をやってみたい防災教育に選んでいるグループが多かったです。
津波の疑似体験とは、陸上での津波と同じ速さである時速36㎞を出したトラックと追いかけっこをするという体験型の学習のことです。
何も持たずに走る人、友達の手を引いて走る人、荷物を持って走る人、というように様々なシチュエーションでトラック(疑似津波)から逃げます。
数字だけの36㎞ではわからなかった津波の速さを実際に体験していたからこそ、東日本大震災の時は「早く避難しなければ!」という危機感を持つことができたそうです。
このように、楽しんで学んだものは記憶に残りやすく、いざという時に活かせるということがわかりました。
最後の校長先生のごあいさつでも、「生徒たちの目線にもっと立たなければならない。川崎さんのお話を聞いて、私たち(教師)も多くの事を学びました。」と、これからの並木中学校の防災教育をもっとより良いものにしようというお気持ちが伝わってきました。
今回の授業では、生徒のみなさんの防災知識の多さ、意識の高さに驚かされるとともに、川崎さんのお話を聞いて、防災教育の在り方について改めて考えるきっかけとなりましたし、はまっ子防災教材も2年目に向けてさらに良いものに仕上げていきたいと思いました。
この度は、学校保健委員会防災授業に参加させていただきまして誠にありがとうございました。