2月20日(月)に港北区にある、横浜市立篠原中学校の防災教育講演会に参加してきました。
今回は、東日本大震災で被災された大川小学校伝承会の鈴木様にお越しいただき、あの日あの場所で何があったのか・・・3年生222名を対象に直接お話をしてくださいました。
1、2年生は各教室からリモートにて参加しました。
鈴木さんは震災により当時6年生、12歳の娘さんを亡くされており、「二度とこのような被害を出してはならない」 と強く訴え、「語り部」として語り継ぐ活動を行っておられる方です。
まずは大川小学校の被害状況についてです。
大川小学校は石巻市釜谷地区の北上川河口から約4キロの川沿いに位置しており、津波により全校児童108人のうち、約7割にあたる児童74人(うち4人は行方不明)と教職員10人が犠牲となりました。
この現実を「大変だ」「悲惨だ」で終わらせず「どうすればよかったのか」を学び、考えてほしいという思いから、この伝える活動をしているとのことでした。
鈴木さんからは何度も「助かる命だった」という言葉が連呼されました。なぜ子供たちが犠牲になったのか、本来はどうあるべきであったのか・・・を繰り返し繰り返し考える日々の中、それらを明らかにするために検証活動を始めたとのことでした。
東日本大震災における震度を改めて確認すると、宮城県北部の最大震度7をはじめ震度6弱から震度1の揺れが北海道から九州鹿児島にかけて発生し、日本列島全体が揺れたほどの大きな規模であったことがわかります。篠原中学校のある横浜市も震度5強が観測され、当時4歳でその記憶もおぼろげな生徒たちはその大きさに固唾を呑んでいる様子でした。
鈴木さんからは津波から得た教訓が伝えられ「とにかく逃げる。逃げたら戻らない。」「波が引いても津波は何度もくるもの、絶対に近づかない。」ということ。実際に震災当日は15:37~19:00の間に7回もの津波に襲われたということ。津波による不安、恐怖、寒さについての体験談が続きました。
この震災で自分のお子さんをなくした鈴木さんからは「もうこんな思いは嫌だ」「子どもが亡くなることがあってはいけない」という切実な思いがあり、災害時に助かる方法としてどんなことをしていくべきか、検証によりわかったことが示されました。
今回の最大の問題点は2つ。
①避難訓練をしていなかった。
②避難場所が決まっていなかった。
これを聞いて誰もが愕然としたのは言うまでもありません。特別な知識や能力がないために起きた被害ではないのです。
日頃学校生活の中で当たり前のように行っている避難訓練や避難場所確認がきちんとなされていれば防げたことなのです。それらの重要性をしっかりと理解し、いざというときに使えるように自分の中に落とし込み定着させることがいかに大切であるか。それにより守れる命があるということを痛感するお話でした。
この震災で気づいたこととして「人生は有限であること」というお話がありました。皆さんには充実した人生を送ってほしい。震災は必ず起きる。どこでも起きる。だが震災によって命を落とすようなことがあってはならない。二度とこのような被害を出してはならない。という強いメッセージが込められていました。
最後に東日本大震災から学んだ命を守る3つのSのお話がありました。
① SWITCH ・・・避難するという行動を起こす。
② SAFE ・・・安全な避難場所に逃げる。
③ SAVE ・・・安全な避難場所に逃げたら戻らず、命を守る。
授業の最後に生徒代表者から鈴木様へお礼の挨拶がありましたが、その内容はもちろん生徒の皆さんの真剣に話を聞く姿に防災意識の高さを痛感せざるを得ませんでした。
弊社も防災教育の在り方について改めて考えるきっかけとなりました。
この度は、防災教育講演会に参加させていただきまして誠にありがとうございました。